仕事先で一緒のおじさんと、よく話をする。
お互いに旅好きで、タイ・チェンマイのどこがいいだとか、ラオスの飯はうまいだとか。
いつもニコニコしてる非常に落ち着いた人で、歳は60を超えているのに覇気があり、
面白い。
そんな彼が、ある日こんな話をしてきた。
「やりたいことをやるんだよ。後悔しないために。」
シンプルすぎて吹き出しそうだったが、
僕の倍以上生きてきた人から出たこの言葉を、どのように受け止めようかしばらく迷った。
そう、僕は今絶賛人生迷走中なのだ。
出口の見えない長いトンネルを、これでもかと這いつくばっている。
シンプルすぎてどこにでもあるような言葉だけど、いったん立ち止まって考えてみた。
おじさんのやりたかったこと
そもそもなぜおじさんが、そんなことを言ったのか。
彼はグラフィックデザイナーとして東京でバリバリ働き、引退した。
東京に弟子がいて、時々顔を見に行くというので相当できる人なんだろう。
そんな彼は僕と同じ26歳の時に、
よし、俺はこの道で飯を食っていける!
と思ったとのこと。(やや表現が古いけどそのまま掲載)
刺激を求め、インドに行くかフランスに行くか、迷った。
結果インドを選択し3ヶ月ほど滞在、いろんな勉強をする。
その後フランスをバイクで旅した時に、僕がくるべき場所はこっちだったのでは、と後悔した。
「インドに行ったからこそ得られたものもあったけど、それがフランスだったら、、
そんな風に思うことがあるんだよね。
やりたいことをやるんだよ。後悔しないために。」
こんな会話だった。
ネットもまだない時代に、どうしようかとウンウン唸り、生きてきたおじさんの言葉。
後悔してる、というよりは、
「フランスに行ってたら、どんな世界が見えたのかなぁ、どんなデザイナーになってたのかなぁ。」
といった雰囲気だったんだけど。
これでよかったと言える人生に
後悔する = 幸福でない。
後悔というのは、その現状に満足できず、他の道もあったのではないかと自己否定する行為。
自分が選択した方向性を肯定できるのは、
その時どれだけ一生懸命やったか。
によるんじゃないか。
いいんだ、あれだけやったんだから。
そうやって過去の自分を肯定する。
成功するまで挑戦し続けることが、失敗という言葉を打ち消すともいうけれど、
世の中、そううまくいかないこともある。
過去は取り戻せないけど、後悔はしたくない。
毎日全力で駆け抜けろとは言わない。
人生の選択肢に立った時、ここぞとばかりに死にものぐるいで取り組む。
自分が立てた目標にタッチするのが一番だが、届かなかった時。
その死にものぐるいの頑張りが、次に繋がるんじゃないかな。
おじさんの選択が間違ってたとは思わないし、
相当努力したんだろうけど、フランス帰りの自分も見てみたかったんだろうなぁ。
フランスの可能性も打ち消すほど、インドにのめり込んだらまた違ったんだろうけど。
人生って難しいですね。
そんなことを思いました。
それではまた!
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